9 発電用原子炉施設における放射性廃棄物管理の状況及び従事者の被曝状況について

Ⅰ発電用原子炉施設における放射性廃棄物管理の状況
(1)発電用軽水型原子炉施設の設置者は,放射性気体廃棄物及び放射性液体廃棄物の放出に際しては原子力委員会が定めた「発電用軽水型原子炉施設周辺の線量目標値に関する指針」により,線量目標値を達成する範囲内の放出管理目標値を定め,これを超えないように努めることとしている。
 また,放射性固体廃棄物については,ドラム缶等に封入し,所定の固体廃棄物貯蔵庫等に保管管理することとしている。
(2)この資料は,原子炉等規制法に基づいて発電用原子炉施設の設置者から提出された昭和52年度の放射線管理等報告書及び行政上の通達に基づく放射性廃棄物等管理報告書等からとりまとめたものである。
 とりまとめの結果によると,放射性気体廃棄物及び放射性液体廃棄物の放出は,全ての事業所において放出管理目標値を下まわつている。
 なお,昭和45年度以降の各年度の発電用原子炉施設における放出実績を参考のために付録した。
(3)発電用原子炉施設を有する事業所の放射性廃棄物管理状況をとりまとめるに当たつては,理解の便を図るため,放射性気体廃棄物及び放射性液体廃棄物については,全原子炉施設についての年間の放出量と年間の放出管理目標値を掲示した。
 また,放射性固体廃棄物については,固体廃棄物貯蔵庫等に搬入された年間の発生量と累積保管量を掲示した。
(4)発電用原子炉施設を有する事業所の状況を示した表中の記号等の意味は,次のとおりである。
①利用率利用率=発電電力量/認可電気出力×当該期間の歴時間×100なお,利用率は,当該年度において営業運転を行つているものについて示した。
② 放射性気体廃棄物の放射性希ガス及び放射性液体廃棄物の放射性物質(トリチウムを除く)は,全β放射能計測法,全γ放射能計測法等により測定した値である。
③気体廃棄物中の放射性よう素(Ⅰ-131)はγ線スペクトロ分析法により測定した値である。
④放射性固体廃棄物のドラム缶の本数は,200lドラム缶換算本数である。
 その他の種類の放射性固体廃棄物は,ドラム缶に詰められない大型機材等であり,その発生量又は累積保管量は,推定体積又は200lドラム缶に詰めた場合に相当する推定本数で示した。
⑤ 表中の数値の意味は,次のとおりである。
1.8×103=1,800
1.8×100=1.8
1.8×10-3=0.0018
(5)発電用原子炉施設の運転状況

(6)発電用原子炉施設における放射性廃棄物管理の状況

Ⅱ発電用原子炉施設における従事者の被曝管理状況
(1)原子炉設置者は,原子炉等規制法等に基づき,その原子炉に関する作業に従事する者の被曝放射線量を同法に基づく告示に定める許容被曝線量をこえないように管理することが義務づけられている。
 この資料は,原子炉等規制法に基づいて発電用原子炉施設の設置者から提出された昭和52年度の放射線管理等報告書及び行政上の通達に基づく従事者被曝放射線量管理報告書等からとりまとめたものである。
 この結果によると,発電用原子炉施設における昭和52年度の従事者の被曝線量実績は,いずれの原子力発電所においても,上記許容被曝線量を下まわつている。
 なお,昭和45年度以降の各年度の発電用原子炉施設における従事者の被曝実績を参考のため付録に示した。
 〔参考〕 従事者の許容被曝線量:
3ケ月につき3レム。
 (2)表の見方は次のとおりである。
① 本資料は当該期間中に運転中及び試運転中のものについて集計した。
② 「社員従事者,請負等社員外従事者の別」の項の「請負等社員外従事者」は請負業者及び研修生を表わす。
③ 「総被曝線量」については,「社員従事者」等それぞれの項目について小数点以下第1位を四捨五入して集計した。従つて一部で「社員従事者」と「請負等社員外従事者」との和が「計」と一致しないものがあるが,これは集計上の誤差である。
④ 「平均被曝線量」については小数点以下第3位を四捨五入して集計した。
⑤ 本資料における「0」,「0.00」の違いについては次のとおりである。
 「0」:0又は0.5未満を示す。
 「0.00」:0.005未満を示す。
⑥ 東海発電所及び東海第二発電所における兼務従事者の被曝実績は,両発電所に重複集計されている。

(3)従事者の被曝線量については,昭和52年11月,これを一元的に登録管理する放射線従事者中央登録センターが設立された。同センターは,従事者が一年間に受けた放射線量等を登録管理するとともに放射線管理手帳制度を推進しており,これによつて従事者の被曝管理の充実を図ることとしている。


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