2.原子力委員会の計画及び方針

(9)発電用軽水型原子炉施設の耐震設計に関する審査方針(骨子)

(昭和53年9月29日)
 原子力委員会

 従来,原子力発電所の耐震設計に関する安全審査は,昭和52年6月に原子力委員会の定めた「発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針」に基づいて,個別に審査が行なわれてきたが,安全審査の客観化をはかるなどの観点から,審査指針を作成したものである。
 本審査指針の骨子は以下の通りである。
1)本審査指針においては,まず,原子炉施設を安全上の観点から,3つに分類し,それらに対する地震力の入力としては,最も重要な構造物は建築基準法に定める基準震度の3倍,ついで重要な構造物は同法に定める基準震度の1.5倍,及び一般構造物は同法に定める基準震度をそれぞれ用いて定め,機器・配管系については,上記の20%増しとする。
2)上記において最も重要な建物・構築物,機器・配管については,動的な地震力として設計用最強地震による地震動及び設計用限界地震による地震動を入力として評価する。
 設計用最強地震の選定には,過去の歴史地震,活動度の高い活断層を考慮し,設計用限界地震の選定には,上記よりも活動性の劣る活断層,地震地体構造,直下型地震を考慮する。
 また,上記地震による設計用基準地震動は,
① 地震動の最大振幅
② 地震動の周波数特性
③ 地震動の継続時間及び振幅包絡線の経時的変化
 の三要素により評価する。
3)上記の各地震入力に対し,それぞれ重要度分類にそつて許容限界を示し,原子力発震所を構成する建物・構築物,機器・配管が,耐震上の観点から,保有すべき強度についての基本方針を示している。(なお,全文は,原子力委員会月報ⅤOL.23,No.9.1978に掲載されている。)


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