第Ⅱ部 原子力開発利用の動向
第8章 原子力船の研究開発

2 原子力船の研究開発

 原子力船に関する研究は,我が国では運輸省船舶技術研究所等において積極的に行われているが,昭和52年度は,運輸省船舶技術研究所において,前年度に引き続き舶用炉におけるくり返し振動の燃料破損に及ぼす影響の研究,一体型船舶用炉機器の性能の研究等を実施したほか,新たに一体型舶用炉の一次遮へいに関する実験的研究に着手し,また,原子力平和利用研究委託費により(社)日本造船研究会に委託して原子力船開発の技術予測に関する試験研究を実施した。
 なお,原子力委員会は,昭和53年9月,原子力研究開発利用長期計画を改訂し,原子力第1船「むつ」の開発と併行して,基礎研究,設計研究等原子力船開発のための基盤を固めるために必要な研究を継続するとともに,安全性,信頼性のより一層の向上に配慮しつつ,改良舶用炉,関連機器等の舶用炉プラントを中心とする広範な研究開発,原子力船についての経済性の解明等を進めることとし,このための十分な研究開発体制の整備を図ることとしている。


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