第Ⅰ部 総論
第3章 核不拡散をめぐる国際的動向

4 新しい保障措置体制と核物質防護措置の強化

 昭和52年11月,国会において核兵器の不拡散に関する条約(NPT)に基づく国際原子力機関(ⅠAEA)との間の保障措置協定が承認され,また,これに伴う原子炉等規制法の一部改正法等が成立した。これによつて,我が国は,NPTに対応した新しい保障措置体制に移行することになり,所要の国内保障措置体制の整備を行つた。
 また,近年核不拡散強化という観点から核物質の防護に関する国際的関心が高まり,国際原子力機関の主催により昭和52年末以来,2回にわたり,核物質防護に関する国際条約についての政府間会議が開催され,我が国は,これらの会議に積極的に参加した。
 更に,国内体制を整備するため,原子力委員会に核物質防護専門部会を設け,我が国の国情にあつた核物質防護体制の検討を進めている。今日の我が国の主要な原子力施設の防護状況は,国際的水準に達していると考えられるが,今後の国際的情勢を踏まえつつ,法制面での所要の整備等一層の努力を払う必要があると考えられる。


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