第Ⅰ部 総論
第1章 原子力委員会の歩みと新休制の発足

1 原子力基本法の成立と原子力委員会の設立

 我が国における原子力研究開発経費は,原子力平和利用の推進に対する世界的な認識の拡大を受けて,昭和29年度予算に初めて計上された。
 この予算化を契機として,我が国における原子力の研究開発利用は,平和利用に徹していくとの従来からの趣旨を明文化するとともに,これを監視し,かつ,巨額な経費を要する原子力研究開発利用を総合的,計画的に推進するための体制を整備する必要性が痛感された。原子力基本法及び原子力委員会設置法は,このような強い要請を受け,我が国の原子力研究開発利用を平和目的に限り民主,自主,公開の原則の下に推進することを基本理念として,昭和30年12月19日,議員立法により,超党派的な支持の下に成立し、原子力委員会が誕生した。


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