第8章 放射線利用

1 放射線利用の動向

 放射同位元素(RI)や各種放射線発生装置を利用する事業所は,医療,農業,工業等の各分野において逐年増加しており,昭和52年3月末現在では,3,501件にのぼっている。
 このような放射線利用における実用化の進展とともに各分野での研究開発も積極的に推進されており,そのため放射性同位元素の需要も毎年増加してきている。
 これらの供給については,外国からの輸入のほか日本原子力研究所を中心として,需要の多い核種に重点を置いて国内生産の量産化を進めており,特に海外に依存することの困難な短寿命核種については,放射線医学総合研究所に医用サイクロトロンなどを用いた短寿命RIのオンライン生産等積極的に研究開発が進められている。
 使用済燃料から回収されるRIの利用に関する研究については,日本原子力研究所で,90Sr,137Cs,147Pm等の核種を各種線源として使用するための加工技術の研究が進められている。


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