第7章 原子力船の研究開発

(参考)諸外国の動向

 現時点における諸外国の原子力商船の開発状況は,以下のとおりである。

(1)ソ 連
 ソ連は,原子力砕氷船レーニン号を昭和34年に完成した。レーニン号は北極海を航海し,多くの船舶を誘導してきたが,その後,原子炉の改造を行い,昭和45年から再び航海に入っている。これに次いで原子力砕氷船アルクチカ号が,昭和49年に完成し,昭和52年8月17日,北極点到達を成し遂げた。更に,原子力砕氷船シベリア号の開発も進んでいる。

(2)米 国
 米国は,原子力貨客船サバンナ号を昭和37年に完成した。サバンナ号は,8年間に約45万海里にわたる試験航海,商業航海に就航し,.この間米国国内32港に入港したのみでなく,海外の24カ国46港を訪問した。
 その後,サバンナ号はその目的を果たしたとして,昭和45年,核燃料を取り出した後ガルベストンに係船されている。

(3)西ドイツ
 西ドイツは,原子力鉱石運搬船オットー・ハーン号を昭和43年に完成した。オットー・ハーン号は,完成後8年の間に約42万海里を航海し,21カ国31港を訪問している。この間昭和47年には第二次改良炉心を装荷しており,更に昭和53年には第三次改良炉心を装荷する予定である。


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