第6章 新型炉と核融合の研究開発
1 新型転換炉

(1)研究開発

 新型転換炉の研究開発は,原型炉の運転開始が近づいている現段階にあって,機器,材料の先行確認試験及び運転,保守に係る研究開発を主体に進めており,その成果は,原型炉の起動試験,運転管理等に効果的に反映される。
 また,動力炉・核燃料開発事業団と,カナダ及び英国との重水炉に関する協力が続けられている。

① 設計研究
 設計コードの改良,総合機能試験の予測解析等を進めるとともに,大型炉の基本構想の取りまとめを行う新型転換炉評価研究等を実施している。

② 炉物理
 大洗工学センター重水臨界実験装置(DCA)を用いて,プルトニウム燃料装荷炉心についての臨界実験を実施した。

③ 伝熱流動
 大洗工学センターの大型熱ループ(HTL)を用いてポンプトリップ等,原型炉の運転の過渡状態におけるバーンアウト実験,並列流路安定性等の各種試験を実施するとともに大型炉の燃料集合体のバーンアウト実験を開始した。

④ 主要部品,機器
 カランドリア管材料の照射試験,圧力管モニタリング装置の検出器試験及び運転保守設備の試作等を行ったほか,大洗工学センターのコンポーネントテストループ(CTL)における圧力管,燃料集合体,シールプラグ等の耐久試験を継続して実施した。

⑤ 燃料・材料
 燃料の照射試験を日本原子力研究所の材料試験炉(JMTR)ノルウェ-のハルデン炉及び英国のSGHWR等で引き続き実施し,一部照射の終了したものについて照射後試験及び解析を実施し,また実機,特殊燃料集合体の製作,圧力管材の照射試験,試験検査等を実施した。

⑥ 安全性
 大洗工学センターの安全性試験施設において,入口管破断試験,再冠水試験及び破断検出法の試験を実施したほか,安全性解析コードの改良整備,供用期間中検査装置の試作開発,トリウム除去試験等を実施した。

⑦ プラント特性試験
 原型炉の熱出力分布,解析コードを完成し,原型炉の制御用オンライン電算機に組み込んだ。


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