第3章 国際関係活動
4 研究開発に関する国際協力等

(2)多国間協力

 三カ国以上が参加し,協力取極を結んで分担金を出し合って行われる共同研究は,ノルウェーのハルデン重水沸とう炉を使用して燃料の性能及び信頼性に関する研究等を行う「OECDハルデン計画」,スウェーデンのマルビケン炉を使用して一次冷却系破損の場合の圧力抑制型格納容器の挙動の研究を行う「マルビケン計画」(昭和52年8月まで)並びにスウェーデンのストウドビク研究所材料試験炉R2を使用して,軽水炉標準燃料の破損に関する研究を行う「インターランプ計画」(沸とう水型炉(BWR)標準燃料対象)及び「オーバーランプ計画」(加圧水型炉(PWR)標準燃料対象)に日本原子力研究所が加盟しているが,これは特定試験炉に各参加者が自分の試料を持ち込んでデータを取るというものであり,協力というよりも,むしろ,共同利用である。
 また,動力炉・核燃料開発事業団は,高速増殖炉燃料の挙動を実験するCABRI(カブリ)計画に昭和50年2月以来参加し,フランス,西ドイツと協力している。
 国際原子力機関,経済協力開発機構原子力機関,国際連合食料農業機構(FAO),加盟支払国及び研究施設提供国により協力実施されてきた「国際食品照射計画」は,食品照射の実用化の促進を図ることを目的とし,照射食品の健全性を中心に共同研究を進めてきたが昭和52年1月に3年間延長され,継続して科学技術庁原子力局が参加している。


目次へ          第3章 第4節(3)へ