第3章 国際関係活動
3 核拡散防止体制強化に関する国際的協議

(4)原子力発電と核燃料サイクルに関する国際会議(ザルツブルグ会議)

 本会議は,国際連合が,原子力平和利用に関し,昭和30年以来4回にわたって開催してきたジュネーブ会議を継承し,今回は,国際原子力機関主催により,特に現在問題となっている原子力発電と核燃料サイクルにテーマを絞って開催することとなった。本会議は,昭和52年5月2日から13日までの間オーストリア国ザルツブルグにおいて開かれ,23国際機関,63カ国より1,200人,うち我が国から報道関係者を含め約100人が参加した。
 本会議の場において,米国エネルギー研究開発庁フライ長官代理は,「国際核燃料サイクル評価計画(INFCEP)」の提案を行い,他方,西ドイツを始め各国は,各々の原子力事情に応じて,核燃料再処理及び高速増殖炉開発の必要性を強調し,核燃料サイクルを確立するという我が国の政策が,国際的な多数意見であることが改めて確認された。なお,この会議の席上,フランス原子力庁のジロー長官は,核拡散防止に効果のある濃縮技術を発表し,そのタイミングが注目された。


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