第2章 核燃料サイクル
7 放射性廃棄物の処理処分

(3)放射性廃棄物処理処分の調査研究

 放射性廃棄物処理処分に関する調査及び研究開発については,処分固化体の健全性を調査確認するため,日本原子力研究所,電力中央研究所等において放射性物質の浸出試験,500気圧の高圧試験が実施され,また深海底までの健全な降下及び着底について追跡するための技術の開発が行われている。

 また,再処理工場の運転開始に伴い発生する高レベル放射性廃液の処理技術については,動力炉・核燃料開発事業団,日本原子力研究所,通商産業省大阪工業試験所等において固化技術の開発が進められているほか,委託費により地層処分の可能性について調査研究が行われている。
 また,廃棄物処理処分問題の重要性から,最近,国際協力の活動が活発化している。

① 経済協力開発機構原子力機関における多国間協力
 原子力機関においては,放射性廃棄物処理処分問題を四大重要分野の一つとして取り上げ,昭和50年6月に放射性廃棄物管理委員会を設立し,廃棄物の発生から処分までの全てを対象として,技術開発の検討,各国の研究開発の調整,共同プロジェクトの準備を行ってきている。
 同委員会の活動については,国際エネルギー機関(IEA)とも協力,連絡が行われている。

② 経済協力開発機構原子力機関による放射性廃棄物大西洋投棄事業
 原子力機関は昭和42年以来7回(昭和42,44,46,47,48,49),北大西洋への投棄試験研究を行ってきたが,昭和51年にはイギリス,オランダ,ベルギー等が参加して実施した。
 我が国は,英国,西ドイツ,フランス,オランダ,イタリア,スウェーデン,スペイン,アイルランド,スイスと協力し,安全性のチェックなどの検討に参加した。


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