第3章 原子力発電の動向

 我が国の電力需要は,昭和30年頃から,経済の高度成長とともに年率10%を越える伸びを示して来た。
 しかし,この電力供給を支えて来た石油は,近年世界的な需要の増大,OPECの勢力増大等のために,価格の上昇,需給バランスのひっ迫を招き,一昨年10月の第4次中東戦争後における石油危機を契機として,エネルギーの安定確保は,早急に解決されるべき大きな国民的課題となった。
 石油危機の深刻化とともに原子力発電に対する期待は,従来にも増して大きいものとなったが,我が国における原子力発電計画については,立地に関して地元との調整がつかないことなどから,遅れをみせている。


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