第10章 保障措置

 我が国における原子力の研究,開発及び利用は原子力基本法の中で,平和目的にのみ限ることと規定されている。この基本法の精神にのっとり,「核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」(原子炉等規制法)及びその他の関連規定が定められており,これらの法規に基づき,核原料物質及び核燃料物質の管理が行われている。
 また,我が国は,外国から核燃料物質等を入手するに当たって,これらを軍事目的に転用しないことを約束し,これが遵守されていることを確認するため,国際原子力機関(IAEA)による保障措置を受け入れている。
 最近の原子力開発利用の著しい進展を反映し,我が国の保障措置対象施設数,核物質量は急速に増加しており,保障措置適用の合理化,簡素化のため最適の核物質管理システムの開発,保障措置技術の開発等が実施されてきた。
 一方,核兵器不拡散条約(TreatyontheNon-ProliferationofNuclear Weapons;NPT)は,昭和45年3月発効し,昭和50年5月までに93カが締約した。このNTP第3条に基づいて締約国がIAEAとの間に締結する保障措置協定については,既に発効している国は40カである。


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