4. 国家試験

 原子炉設置者は,原子炉の運転に関して保安上の監督を行わせるため,「核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に閃する法律」(原子炉等規制法)により,原子炉主任技術者免状を有する者のうちから,原子炉主任技術者を選任することが義務づけられている。また同法により核燃料加工業者および再処理事業者は,その保安上の監督を行なわせるため核燃料取扱主任者を置かなければならない。
 放射性同位元素の使用者,販売業者および廃棄業者ならびに放射線発生装置の使用者は,「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」(放射線障害防止法)にもとづき,第1種または第2種放射線取扱主任者免状を有する者の中から,放射線取扱主任者を選任し,放射線障害の防止について監督を行なわせることになっている。
 これらの国家試験は,科学技術庁原子力局が事務局となって毎年試験を実施している。昭和47年度には,原子炉主任技術者について第15回筆記試験および第14回口答試験が行なわれた。この国家試験は,筆記試験に合格し,さらに口答試験に合格した者に免状が与えられる。核燃料取扱主任者については第5回試験が,また放射線取扱主任者については第17回第1種放射線取扱主任者試験および第14回第2種放射線取扱主任者試験がそれぞれ行なわれた。これら国家試験の受験申込者数,合格者数等を第5‐2表に示すが,原子力開発利用の進展に伴い各種免状所有者は着実に増加している。とくに放射線取扱主任者試験の受験申込者は昭和46年度の5,324名から6,330名と大幅な増加を示し,これまで東京,大阪で実施してきた試験場所の増加を望む声が強くなっている。


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