4. 保障措置に関する研究開発

(1)保障措置関連の技術開発の推進

 原子力平和利用研究委託費によって合理的,効率的な保障措置制度の確立に資するための保障措置技術開発が行なわれている。
 昭和47年度においては,「保障措置システムに関する研究」「ひずみ計の応用による保障措置のための計量方法に関する研究」「核分裂中性子測定法による核分裂性物質の非破壊分析法に関する試験研究」などを前年度にひきつづいて実施するとともに,「各種原子力施設および原子力施設間における核物質管理システムに関する研究」,その他を新たに開始した。
 日本原子力研究所においては,燃焼率測定に関する研究,動力炉・核燃料開発事業団においては,再処理施設の保障措置研究開発を中心に研究が進められ所期の成果をあげた。

(2)保障措置技術に関する国際協力

 昭和45年3月の日米原子力会議において,保障措置技術に関する日米協力が合意され,これに基づき第2回日米保障措置専門家会議が昭和48年2月6日,および7日に東京において開催された。
 同専門家会議には米国から原子力委員会核物質安全部研究開発次長マクダウエル博士を含め6名の専門家が出席し,日本から倉本原子力局次長を含め10名の専門家が出席した。同専門家会議において,両国専門家は自国における最近の保障措置技術の研究開発の進捗状況等について報告を行ない,保障措置制度,測定技術,核物質管理データの処理と評価等の事項について討議した。
 さらに両国専門家は将来の核物質の増加に対処するための有効な保障措置制度を確立するためには,保障措置技術を進展させることが重要であることを確認し,この分野において今後とも緊密な協力をすることに合意した。
 会議終了後,米国専門家は,東海村の日本原子力研究所および動力炉・核燃料開発事業団を訪問し,さらに関西電力(株)美浜発電所および日本原子力発電(株)敦賀発電所を訪問し,現地で討論を行なった。
 国際原子力機関は昭和47年6月濃縮施設の保障措置技術に関するワーキンググループを,昭和47年8月,核物質の計量および保障措置の技術的効果に関するワーキンググループを開催し,わが国からもそれぞれ専門家が参加した。


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