3. 保障措置の実施状況

 IAEA保障措置のわが国への適用は,日米,日英,および日加の各2国間の原子力協力協定およびこれに基づく保障措置移管協定,ならびにわが国とIAEAとの計画協定に基づいて実施されてきたが,日仏,日豪の協力協定および移管協定の発効に伴い,新たにこれらの協定によってもIAEA保障措置が適用ざれることとなった。
 査察についてみると,第13-2表に示すように昭和47年は,12回のIAEA査察が行なわれ,延べ査察施設数は141,延べ査察業務量は,274人・日であった。主な査察としては,日本原子力発電(株)の敦賀発電所および東京電力(株)の福島発電所1号炉の定期検査時の査察が行なわれたほか,日本原子力研究所のFCA,動力炉・核燃料開発事業団のプルトニウム施設,各加工業者の核燃料加工施設などに対する査察が行なわれた。とくにFCA,プルトニウム施設に対する査察頻度は,1回の通常査察化しつつある。さらに昭和47年度には,関西電力(株)の美浜2号炉,東京電力(株)の福島2号炉および中国電力(株)の島根1号炉が,新たに査察の対象となった。
 また,最近における核物質の量および原子力施設の増加に伴い核物質管理並びに保障措置に関する業務も著しく増加している。これに対処するためこれら専門家の養成および知識の普及等をかねたセミナーが47年11月29日,30日の両日核物質管理センター主催の下に開催され,所期の成果をあげた。


目次へ          第13章 第4節へ