第8章 原子力船
§1 原子力第1船の開発

2 原子力船「むつ」の建造工事

 昭和45年7月に船体工事を完了した原子力船「むつ」は青森県むつ市の定係港に回航し,昭和45年度末までに原子炉圧力容器,蒸気発生器等の主要機器据付,一次冷却系主要部分の配管等を完了した。
 昭和46年度においては昭和45年度に引続き配管,電線敷設,補機搭載等の工事を進め昭和46年11月,すべての原子炉ぎ装工事を完了した。以後,原子炉機器,制御系統の作動試験および炉心内流動試験等の原子炉機能試験を続けている。また,「むつ」に装荷する核燃料については昭和44年以来製作を続けてきたが,昭和46年度7月末完成し,以後炉心設計値の確認および出力上昇試験等の実施方法の決定のため9月から12月まで陸上臨界試験を行ない,現在定係港において保管されている。
 今後における原子力船「むつ」のスケジュールは,昭和47年4月から温態機能試験を行なった後8月末にすべての建造工事を終了し,その後燃料装荷,臨界,出力上昇試験,海上試運転等の諸試験を行ない,昭和48年4月,実験航海へ就航することとなっている。


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