第6章 環境保全

§5 米国原子力軍艦の寄港

 米国原子力軍艦のわが国への寄港については昭和39年11月に原子力潜水艦シードラゴンが佐世保港に初めて寄港して以来,昭和47年3月末まで通算65回(横須賀48回,佐世保17回)をかぞえている。
 昭和46年度中における原子力軍艦の寄港実積は横須賀港に17回であり,佐世保港への寄港はなかった。
 原子力軍艦の寄港時には,原子力軍艦放射能調査指針大綱に沿って,科学技術庁から職員の現地への派遣,当該港湾市の職員および海上保安部の担当者,さらに当該港湾市の所在する県の希望があれば,県職員を加えて,現地調査班を編成し放射能測定を実施している。
 現地調査班の調査内容は,
 ① 主要モニタリングポストに調査班員の常駐および時間毎に各モニタリングポストの巡回
 ② モニタリングボートによる1日1回を原則とする所定の調査コースについての放射能測定の実施
 ③ 採取海水の波高分析器による指標核種の分析等である。
 昭和46年度においては,モニタリングポストの放射能測定装置を横須賀,佐世保とも各1式を更新するとともに,横須賀については各モニタリングポストと現地調査班本部との間を電話回線で結び,モニタリングポストの放射能の計数値が一定レベルを越えると自動的にアラームの鳴る自動警報装置を本部に設置し,調査の省力化をはかつた。
 原子力軍艦の寄港に関連して横須賀,佐世保および日本近海の海水,海底土,海産生物について年4回の定期調査を実施したほか,原子力軍艦出港後,その停泊地点で採取した海水,海底土の試料についても放射能調査を行なったが,平常と異なる放射能の値は検出されなかった。
 なお,昭和47年5月15日本土に復帰した沖縄におけるモニタリングに必要な機器等を昭和46年度予算の予備費をもって整備した。


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