第3章 核燃料
§2 ウラン資源の確保

3 海外ウラン資源の確保および調査探鉱活動

 わが国の電力会社が長期・短期の購入契約により確保したウラン精鉱の量は,現在約65,000ショート・トンであり,昭和60年度頃まで必要なウラン精鉱の量のほぼ2/3が確保されたことになるが,その後の手当てはまだ不十分である。
 昭和46年度の海外ウラン資源の調査探鉱活動についてみると,まず動力炉・核燃料開発事業団は,カナダのブリティッシュ・コロンビア州および南西テリトリーズならびにオーストラリアの南オーストラリア州において鉱床精査,カナダのサスカチワン州およびオーストラリアの西オーストラリア州北部ならびにクイーズランド州において鉱床事情調査さらにエチオピアおよびスーダンにおいて鉱業事情調査を行なった。その結果,それぞれにおいて成果をあげたが,とくに西オーストラリア州において相当有望とみられる鉱床が発見され,今後の成果が注目される。
 民間企業の活動としては,三菱金属鉱業(株)がカナダのリオ・アルゴム社と米国ワイオミング州において,電力9社がカナダのデニソン社とカナダブリティッシュ・コロンビア州等においてそれぞれ共同探鉱を進めたほか,三井鉱山(株)がカナダのブリティッシュ・コロンビア州において単独で探鉱を行なったが,これらのプロジェクトは現在までのところ目覚ましい成果をあげるに至っていない。
 一方,昭和45年5月に設立された海外ウラン資源開発(株)は,フランス原子力庁およびニジェール共和国政府とともにニジェール共和国アコカン西部地域で共同探鉱を進め,現在第3期のボーリング調査に入っているが,この地域のウラン資源は品位,埋蔵量ともに相当有望であることが明らかになり,期待が寄せられている。


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