１　天然ウランの需要とウラン市場の動向

　原子力発電の進展にともない,わが国のウラン精鉱の需要量は,昭和50年度には年間4,000ショート・トン,累積16,000ショート・トン,昭和55年度には年間8,000ショート・トン,累積48,000ショート・トンと急増する見通しであるが,ウラン資源に乏しいわが国は,その供給のほとんどすべてを海外に依存せざるを得ない。しかるに,ウラン資源はアメリカ,カナダ,南アフリカ等の特定地域に偏在し,かつ,国際大資本による寡占化傾向が顕著となっており,一方自由世界の天然ウランの需要は今後著しく増大すると予想されるので,天燃ウランの安定供給の確保は長期的には楽観できない。このため,ウラン資源に乏しい西ドイツ,フランス,イタリア等の諸国は,政府みずから海外資源の確保を積極的に進めるとともに成功払い融資等によって民間の探鉱活動に対し強力な助成措置を講じている。

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