第14章 原子力関係科学技術者の養成およびその他の活動

§1 原子力関係科学技術者の養成

 原子力関係科学技術者の養成訓練は主として,日本原子力研究所(原研),放射線医学総合研究所(放医研),大学等により行なわれている。
 原研では原子炉研修所およびラジオアイソトープ研修所において,また放医研では養成訓練部においてそれぞれの課程の研修が行なわれた。このほか,日本原子力発電(株)の原電研修コース,雇用促進事業団の運営による茨城県職業訓練所の原子力工業科でも研修が行なわれている。これらの研修について,その状況を(第14-1表)に示す。
 大学においても,原子力関係の科学者,技術者の養成について極めて大きな役割を果たしている。とくに47年度から神戸商船大学に,原子力船時代の運航管理ならびに広く原子力産業に貢献できる人材を養成するため,原子動力学科が新設された。大学別の原子力関係課程の定員および卒業者数を(第14-2表)に示す。
 民間においても,日立,東芝により福島県にBWR運転訓練センターの建設が行なわれているが,46年度においては福井県に三菱重工業等により,PWRの養成訓練施設を設置するための準備が進められた。
 しかし,原子力関係の技術は広汎多岐にわたっているため,原子力課程を専攻した技術者のほか,機械,電気,土木等の一般工学部門を専攻した技術者の需要はますます増大している。さらに環境保全のために生態学等を含めた学科を専攻した技術者が必要となってきている。
 このため,原子力関係科学技術者としては,自己の専門分野のみでなく,幅広い知識を持つた科学者,技術者が必要であり,原子力関係科学技術者の質の向上が望まれている。


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