第12章 国際協力
§2 国際機関との協力

1 第4回原子力平和利用国際会議

 国連主催の第4回原子力平和利用国際会議(通称ジュネーブ会議)は,国際原子力機関(IAEA)の協力のもとに1971年9月6日から16日までスイスのジュネーブにおいて開催され,各国の原子力平和利用分野における指導的立場にある者が参集し,論文発表,意見交換,原子力に関する展示会の開催等が大規模に行なわれた。
 わが国からは平泉原子力委員会委員長をはじめとして,北原大使,山田原子力委員会委員,松根原子力産業会議副会長,向坊東京大学教授他約120名が参加した。
 会議は一般セッション,技術セッション1.2.3より構成された。本会議では,産業化の進展が目覚ましい原子力の今日的役割および原子力開発利用に伴う諸問題が討議され,とくに原子力の環境に対する影響に関する研究発表が注目された。
 わが国からは平泉原子力委員長が一般セッションにおいてわが国の原子力開発利用の現状を紹介するとともに,原子力における技術情報の交流に関し,アメリカ,フランス等のウラン濃縮技術公開の動きを高く評価しながら技術情報の国際交流促進の意義を強調したほか,最近の環境問題の重要性にふれ,この面での国際協力の重要性をうったえ,各国代表の多大な関心を集めた。
 また提出論文については,総提出論文数は484編であり,わが国から24編が出され17編が口頭発表された。
 なお参加国は74か国,参加専門機関6,国際機関8,非政府機関16であり,参加者は約4,000名であった。


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