第10章 基礎研究および原子力特定総合研究
§2 原子力特定総合研究

1 概要

 原子力委員会は研究開発の進め方として,広汎な原子力開発利用分野における多くの研究開発課題のうち,とくと重要性と緊急性が高く,国として重点的かつ組織的にすすめる必要があるものについては,「原子力特定総合研究」あるいは「原子力特別研究開発計画(国のプロジェクト)」として,明確なる体制のもとに各界の協力を得て,その研究開発を推進するものとしている。
 原子力特定総合研究は,関連する分野が広く,これらの分野を総合してすすめることにより,大きい効果が期待される研究課題,または,わが国の原子力開発利用を一段と進展せしめうる研究課題を対象として,政府の調整または計画のもとに関係各機関あるいは民間企業が協力し,分担を明確にしてその研究開発を推進しようとするものである。
 この「原子力特定総合研究」には,昭和42年9月に「食品照射」,昭和43年7月に「核融合」,昭和44年8月に「ウラン濃縮研究開発」がそれぞれ指定され,その研究開発が積極的に進められている。このうち,ウラン濃縮研究開発については,第4章に記載した。


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