第2章 動力炉開発
§3 新型転換炉の開発

2 原型炉「ふげん」の建設

 原型炉の設計については,44年度において,国内メーカーおよび電力会社に委託して,第2次設計を行ない,(第2-3表)のとおり仕様を固めた。さらに,原型炉の建設については,基本方針および基本計画において,事前の研究開発の成果および海外における技術の動向等を評価検討のうえ決定することが定められており,原子力委員会は各界の権威者よりなる「新型転換炉評価検討専門部会」を設置して原型炉建設の具体的計画について評価検討を行なった。その結果,44年10月原子力委員会は,45年度に同原型炉の建設を着手することが適当である旨決定を行なった。
 さらに,原型炉の建設に先立って,動燃事業団は45年3月,内閣総理大臣あて原子炉設置許可申請書を提出した。この申請書について原子力委員会は安全性等について審査を行なった結果,同炉の設置が許可の基準に適合する旨,内閣総理大臣に答申し,45年11月内閣総理大臣により設置が許可された。
 これにより,動燃事業団は福井県敦賀市において整地工事を開始するとともに,機器の製造についての発注準備,契約交渉をすすめた。


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