第2章 動力炉開発
§2 高速増殖炉の開発

2 実験炉「常陽」の建設

 実験炉は,わが国で初めてのナトリウム冷却高速炉であり,その目的は設計,建設,運転を通じて,高速増殖炉に関する技術的経験を得るとともに,完成後は燃料,材料の照射施設として利用するものである。
 実験炉の建設については,45年2月,内閣総理大臣により原子炉等規制法に基づく設置が許可され,大洗工学センダー内の敷地において基礎掘削工事を開始するとともに,機器の製作については,東京芝浦電気(株),(株)日立製作所,三菱重工業(株),富士電機(株)の4社と契約を締結し建設をすすめた。45年度においては,原子炉建屋の基礎工事を終了し,格納容器の据付を行なうとともに,炉心本体構成機器についても製作を開始た。
 実験炉の主要仕様は,(第2-1表)に示すとおりである。


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