第12章 国際協力
§4 調査団の派遣および留学生の受入れ等

1 調査団の派遣

 昭和45年度原子力関係機関から諸外国に派遣された調査団は下記の通りである。

(1)NPT保障措置問題調査団
 原産は,NPTの発効および日本の同条約調印にともない,保障措置に対する産業界の立場について,海外関係者の理解をひろめ,併せて関係各国の本問題に対する態度と実情を調査することを目的として,昭和45年4月11日より約2週間,西ドイツ,ベルギー(ユーラトム),フランス,オーストリア(IAEA),スエーデンおよび米国に11名を派遣した。

(2)原子力損害賠償制度調査団
 原子力委員会原子力損害賠償制度検討専門部会は,現行原子力損害賠償制度につき,改善を要する諸点および改善方策について諸外国の法制,諸条約の内容等を参考とし,検討を行なったが,原子力委員会は,この検討に資するため45年5月9日より約1ヵ月間,米国,英国,フランス,西独,スエーデンに6名からなる調査団を派遣した。

(3)科学技術調査団
 衆議院科学技術振興対策特別委員会は,欧米諸国における原子力,宇宙,海洋,シンクタンク等科学技術事情調査のため45年6月7日より3週間米国,英国,フランス,モナコ,ベルギー,西独,オーストリア,デンマークおよびスエーデンに9名を派遣した。

(4)放射性固体廃棄物調査グループ
 原子力局は,海外において現在実施している放射性廃棄物処理処分の具体的方策および今後の技術開発の見通しならびにこれに対応する施策の動向に関する調査を行なうため,45年8月23日から約10日間英国,西独,フランス,ベルギーに8名を派遣した。

(5)訪印原子力使節団
 昭和45年3月原子力委員会招へいにより来日したインド原子力委員長V.A.サラバイ博士より,動燃および原産との懇談会において原子力分野における両国の協力について申し入れがあり,さらに帰国後,同博士よりトップレベルによるミッションをインドに招待したいとの提案があった。これをうけて,原産は両国の協力の可能性について,調査を行なうため,原研,動燃,産業界からなる19名の調査団を46年1月18日から約2週間インドヘ派遣し,インド原子力委員会と2回にわたる会談をはじめ,同国の原子力研究施設,原子力発電所等,16機関の視察を行なった。

2 IAEAフェローシップによる留学生の受入れ

 45年度のIAEAフエローシップによる留学生のわが国への受入れは韓国から2名,中華民国から3名,インドネシアから2名,タイから1名,パキスタンから2名,トルコから1名,計11名を受入れ,科学技術庁放射線医学総合研究所,神奈川県工業試験所,日本原子力研究所,通商産業省電子技術総合研究所,東京大学においてそれぞれ研修を行なった。

3 留学生の海外派遣

 昭和45年度の政府予算または政府斡旋による原子力留学生は国立機関15名,民間企業9名で29年度以来の派遣実績は国立機関436名,民間企業337名となった。
45年度の留学生を派遣先に見ると米国16名,英国およびフランスが各2名および西ドイツ,ベルギー,カナダ,オランダが各1名となっている。
 この他フランス政府給費生として国立機関から3名がフランスに派遣された。


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