§2 ウラン資源
2海外ウラン資源の確保

海外ウラン資源の確保については,原子力委員会はこれまで原則として民間企業を中心としてこれを推進することとし,国は探鉱開発等に関する必要な助成および誘導措置を講ずることとしてきた。
 このような方針のもとに,まず,動戸炉・核燃料開発事業団は,わが国民間企業の未進出地域において先駆的調査を行ない,この調査結果を企業探鉱以前の段階で民間に引き継ぐこととし,41年度から調査活動を行なってきた。45年度はカナダのアルバータおよびオーストラリアのクィーンズランド州について鉱床事情調査を,また,カナダのブリティッシュ・コロンピア州,オーストラリアの南オーストラリア州等については,地質調査等の鉱床精査を行なった。
 民間企業による海外ウラン探鉱活動としては,三菱金属鉱業(株)がカナダのリオ・アルゴム社と41年から米国ワイオミング州で共同探鉱を行なっており,また43年からは,電力9社および産銅6社による米国カー・マギー社とのカナダエリオット・レイク地区における共同探鉱ならびに電力9社とカナダデニソン社との米国コロラド州等における共同探鉱が進められている。
 これらの3プロジェクトは,これまでに3年ないし5年間の探鉱期間が経過したが,まだ目覚ましい成果をあげるに至っていない。
 一方,45年5月に設立された海外ウラン資源開発(株)は,フランス原子力庁(CEA)およびニジェール共和国政府とニジェール共和国アコカン西部地域で45年から共同探鉱を開始しており,有望プロジェクトとして期待されている。
 なお,三井鉱山(株)は,44年からカナダのブリティッシュ・コロンビア州において単独で探鉱活動を行なっている。


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