§2 原子炉の国産化
2在来型炉の研究開発

原子炉の大型化,燃料の高出力化は今後の軽水炉の開発に要求されている課題である。高出力燃料の国産化を図ることを目的に,日本原子力研究所においては,JPDR-II計画を実施している。JPDRの改造工事は,ダンプコンデンサー建屋のほか,建屋工事を完成し,ダンプコンデンサー,給水ポンプ,復水ポンプ等各種の据付工事がほぼ予定通りの工程で進められている。JPDR-IIの燃料については,民間燃料メーカーにおいて製作が進められている。また,燃料の設計データや炉心の特性解析等の各種のJPDR-IIに関する資料の整備が実施された。
 さらに日本原子力研究所を中心に行なわれているハルデン炉における燃料の照射研究については,第3次照射燃料2体および民間9社との共同研究による5体,合計7体の燃料体がハルデンに送られ,一部の照射が開始された。また,すでに照射を終えた燃料については,照射後の評価が実施されており,その結果が得られつつある。
 プルトニウム燃料の熱中性子炉利用に関する研究については,動燃事業団が実施する米国サックストン炉照射用燃料の特性解析を原研において実施した。
 また,安全防護設備等軽水炉の安全研究については,原子炉配管系の構造設計基準,原子炉施設の建物,機器および配管系の地震時における振動特性,原子炉用活性炭フイルタの経時変化,格納容器の漏洩率の測定基準等の試験研究について委託研究を実施した。また,日本原子力研究所においては,原子炉の一次冷却材流出事故を模擬した実験,圧力容器の内圧繰返し試験等の研究が実施された。


目次へ          第2章 第3節へ