§2 保障措置に関する国際環境
2各国の動き

46年4月現在で,NPT署名国は98ケ国,批准書寄託国は64ケ国,批准承認国は2ケ国,また加入書寄託国は3ケ国となっている。NPT第3条の規定にもとづき,締約国である非核兵器国は,条約発効から180日以内にIAEAと保障措置協定締結交渉を開始し,その後18ケ月以内に協定を発効させることになっている。NPTは45年3月5日に発効し,180日後の同年9月始めに,締約国である非核兵器国とのIAEA間の協定交渉は開始されたが,保障措置委員会において保障措置協定が検討されている最中であり,その交渉は実質的には進展しなかった。しかし46年3月にいたり,保障措置委員会は終了したので,IAEA事務局と関係各国は本格的な協定交渉の段階にはいつた。既にNPTを批准した国々の大部分はまだ保障措置の対象となる原子力活動は存在せず,これらの国々とIAEAの間の保障措置協定は,当初は,それらを有する先進諸国に比して簡単な内容になるものと考えられる。一方,スウェーデン,カナダ等先進非核兵器国は保障措置委員会で検討された内容および構成に沿つた保障措置協定を47年3月までに締結するものとみられる。協定交渉と平行して,協定の実施のための細目取極もIAEAと各国の間で交渉されることとなろう。


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