II原子力委員会の計画および方針

4サイクロトロンによる中性子線医用懇談会報告

(昭和44年6月19日)
 速中性子線によるがん治療の研究推進について
 本懇談会は,昭和44年5月19日以来会合を重ねて,標記について審議を尽くし,このたび以下のとおり結論をえたので,報告する。なお,審議要旨は,別紙のとおりである。
1 がん治療にとって速中性子線の照射は,有望な手段であると認められるので,早急にその実用化をはかる必要があり,可及的すみやかにこれに関する研究に着手すべきである。
2 本研究のために必要な速中性子線源としては,現在のところサイクロトロンが適当である。
3 本研究を実施する機関としては,組織,実績等からみて,放射線医学総合研究所が適当である。また,必要に応じ関連機関の協力を求めることを考慮すべきである。
 なお,本研究を実施するために設置されるサイクロトロンを利用して短寿命放射性同位元素を生産できるので,これの医学利用についても研究を推進する必要がある。


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