II原子力委員会の計画および方針

2昭和44年度核原料物質探鉱計画

(昭和44年3月18日原子委員会決定)

 内閣総理大臣は,昭和44年3月18日核原料物質開発促進臨時措置法(昭和31年法律93号)第3条第1項の規定により,以下のとおり昭和44年度核原料物質探鉱計画を決定した。
 昭和44年度核原料物質探鉱計画昭和44年度における核原料物質の探鉱は,予算約2億円をもって,前年度に引きつづき主として堆積岩地域を対象として行なう。
 通商産業省工業技術院地質調査所は,ウラン鉱賦存の状況についての基礎的な調査研究を行なう。
 動力炉・核燃料開発事業団は,地質調査所の調査により判明した有望地区において地表調査,科学探鉱,試すい探鉱等を実施して,効果的に国内ウラン資源の実態を明らかにする。
1地質調査所の行なう調査研究
 地質調査所は岐阜県瑞浪市および愛知県瀬戸市において,電気探鉱,重力探鉱等の探査技術の向上に関する研究を,島根県松江市において鉱床の成因に関する研究をそれぞれ行うほか,愛媛県および高知県の代表的岩層について,ウランの賦存状況をはあくするための調査研究を実施する。
2動力炉・核燃料開発事業団の行なう
 探鉱動力炉・核燃料開発事業団は,既知鉱床の拡大のため主として試すい探鉱を,また新鉱床の発見を目的として地表調査,科学探鉱,試すい探鉱等を次の各地区で行なう。
(1)東濃地区およびその周辺
 東濃地区について鉱量のはあくのため,既存の鉱床について集中的な試すい探鉱を継続する。また,東濃地区周辺,長野県飯田地区等において鉱床の追跡および新鉱床の発見のため,地表調査,科学探鉱,試すい探鉱等を行なう。
(2)山口県西部地区および北九州地区
 山口県豊田地区,北九州地区等において新しい賦存形態の鉱床の追跡および新鉱床の発見のため,地表調査,科学探鉱,試すい探鉱等を行なう。
(3)人形峠周辺地区
 岡山県倉見地区において,鉱量のぱあくと鉱床の追跡のため,試すい探鉱を継続する
(4)その他の地区


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