§2 定係港の建設

 原子力第1船の原子炉ぎ装,燃料交換,使用済燃料および放射性廃棄物の保管等を行なうための定係港については,42年11月,青森県むつ市長から設置に同意する旨の回答があり,44年11月,原子炉設置の許可が得られたので,原船事業団は,原子力第1船の建造と併行して定係港の建設を行なうこととなった。
42年度末には定係港建設用地の購入,および岸壁の築造について関係者と契約を行ない,次いで43年度は,岸壁築造工事を推進するとともに岸壁クレーン,電力設備,諸建屋の建設および定係港岸壁前面海域のしゅんせつ工事について契約を行ない工事に着手した。
44年度には,上記の工事を引続き行なった結果,44年11月,受変電設備工事が完成し,44年12月,燃料交換棟,動力棟,事務所等建屋工事および75トン岸壁クレーンの製造組立工事が,それぞれ完了した。また,原子力第1船の出入港の際等に必要である引船の建造は,44年7月,山陽造船(株)において開始され,現在建造中であり,45年5月,進水,45年6月完成の予定である。
 定係港における今後の建設スケジュールは,原子炉ぎ装工事のはじまる,45年7月頃までに天井クレーン,純水製造設備,洗浄設備等,建屋内に設置する機器の据付を,また,原子力第1船に核燃料が装荷される46年度末までに核燃料取扱い設備,廃棄物処理設備,放射線管理設備等を建設する予定となっている。


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