§1 原子力発電所の建設
  3原子力発電所建設計画

九州電力(株)では,佐賀県東松浦郡玄海町に,中部電力(株)では,静岡県小笠郡浜岡町に,また東北電力(株)では宮城県牡鹿郡女川町および牡鹿町にそれぞれ50万キロワット級の原子力発電所の建設を計画し,その準備をすすめており,現在用地整備,漁業交渉等が行なわれているが,いづれも45年度の前半に本格的な建設工事の着手が予定されている。
 また関西電力(株)で高浜2号炉,東京電力(株)では福島4号炉など80万キロワット級の原子炉の建設を計画しており,現在その準備がすすめられている。
 この他,北陸電力(株),北海道電力(株),四国電力(株)においても,原子力発電所の建設についての検討が進められている。
  4原子力発電所建設のための関係者の努力

原子力発電所建設促進のために,従来から国,地方自治体および電気事業者等によって大きな努力がはらわれてきている。
 国は,38年度より原子力発電所立地,調査を全国的に行なってきている。これは,国が県等に委託してボーリングによる地質調査,気象調査を行なうもので,これら調査された地点の中から数カ所が電気事業者によって原子力発電所建設予定地として選定されている。44年度は,北海道,山口県,福岡県および徳島県のそれぞれの地点について調査が行なわれた。
 この他,原子力に関する正しい知識と理解を得て,原子力発電所建設の促進に資するため,国,電気事業者および財団法人日本原子力文化振興財団等は,44年度も各種のセミナー,原子力発電所建設地点および候補地点周辺における原子力に関する講演会,巡回PR映画会,展示会および原子力施設の見学会等を開催することによって一般の原子力に関する関心を高めるとともに原子力発電所建設に対して地元の協力を得るべき努力をはらつた。


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