§3 新型転換炉の開発

   5伝熱流動実験

原型炉用燃料集合体と同一寸法の模擬燃料集合体を用い,炉心熱水力学データの確認,燃料チャネル内の伝熱流動特性の解析等を行なうため,動燃事業団が大洗において建設をすすめてきた大型熱ループ(8MW)(HTL)が45年4月完成し,実験が開始された。
 また,前年度にひきつづき,動燃事業団は原研に委託して原型炉用模擬燃料集合体の伝熱流動実験をすすめ,燃料体の設計および性能評価に反映させた。
  6主要機器,部品の開発

圧力管と異種金属の接合部の試作開発については,カナダからの情報等にもとづいて,拡管法に関して,試作が行なわれ,44年度には,耐圧試験等の1次試験が行なわれるとともに,熱サイクル試験等2次試験のための準備が行なわれた。
 また,シールプラグ,制御棒駆動装置,炉内中性子検出器,破損燃料検出器等についても試作が行なわれた。
 さらに,動燃事業団では燃料集合体および圧力管について,原子炉使用条件下での耐久試験を行なうため,大洗においてコンポーネント・テスト・ループ(CTL)の建設をすすめてきたが,44年12月に完成し,模擬燃料集合体の耐久試験が開始された。
  7燃料,材料の開発

原型炉用燃料について,確性試験を行なうため,前年度より燃料集合体の試作が行なわれ,フレッティング試験,CTLにおける耐久試験等各種試験が実施されるとともに,これらの成果をもとに,さらに第2次の試作が行なわれている。また,原研の材料試験炉(JMTR)およびノルウエーのハルデン炉における照射のための試料の製作が行なわれた。
 材料については,動燃事業団では圧力管およびカランドリア管材料を海外および国内メーカーから購入し,腐食試験等各種炉外評価試験が実施されるとともに,JMTRでの材料照射のための試料の製作が完了した。
  8安全性の研究

前年度より大洗において建設がすすめられてきた安全性実験装置が完成し,44年11月より一次冷却系外部破断実験および非常冷却系試験が行なわれている。


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