§3 新型転換炉の開発

  2原型炉の評価検討

動力炉開発の基本計画において,原型炉の建設については,事前の研究開発の成果および海外における技術の動向等を評価検討のうえ決定することが定められている。このため,44年5月,原子力委員会は各界の権威者よりなる「新型転換炉評価検討専門部会」を設置して,新型転換炉原型炉建設の具体的計画について評価検討を行なった。同部会は2つの分科会を設け,新型転換炉の経済性の見通し,エネルギーの安定供給に寄与する度合,開発計画の技術的見地からみた妥当性等について審議を行なった。その結果,同年10月動燃事業団の新型転換炉原型炉に関する具体的計画は妥当であり,その計画どおり建設を行なうことが適当であると認める旨,原子力委員会に報告した。
 さらに,この報告には,原型炉に続く実用炉を機を失せず実現するための方策および重水の確保やプルトニウム燃料の成型加工の条件整備についての方策等を,別途検討する必要があるとの意見が付されている。
 原子力委員会はこの報告を審議した結果,45年度に同原型炉の建設に着手することが適当であると考える旨の決定を行なった。


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