§11 国家試験

1 原子炉主任技術者試験

 原子炉等規制法により,原子炉設置者は,原子炉の運転に関して保安上の監督を行なわせるため原子炉主任技術者免状を有する者のうちから,原子炉主任技術者を選任することが義務づけられている。
 原子炉主任技術者免状は,国家試験または認定により,科学技術庁長官から交付されている。試験は,筆記試験および口答試験からなり,口答試験は筆記試験に合格したものであって,原子炉運転にも6ヵ月以上従事した者または原研の原子炉研修所の一般課程等,科学技術庁長官の指定した講習機関の課程を終了したものでなければ受験することができない。認定は,一定の資格をもった者について,そのつど行なっているが,40年度以降,認定の実例はない。
 43年度には,第10回口答試験および第11回筆記試験が行なわれた。
 第10回口答試験の受験者は24名,合格者は20名であった。この結果,43年度末現在,原子炉主任技術者の免状を有する者は,科学技術庁長官により認定された者15名を含め,合計195名となった。
 また,第11回筆記試験の受験者は142名,合格者は30名であった。

2 核燃料取扱主任者試験

 昭和43年5月に行なわれた原子炉等規制法の改正に伴い,核燃料の加工の事業に関する者は,核燃料物質の取扱いに関して保安上の監督を行なわせるため,核燃料取扱主任者を置かなければならないことになった。
 核燃料取扱主任者は,科学技術庁長官の行なう核燃料取扱主任者試験に合格した免状を有する者のうちから,選任しなければならないことになっている。
43年度は,44年3月19日,20日の両日科学技術館において,第1回核燃料取扱主任者試験を実施した。その結果は,試験申込者121名,受験した者107名であり,合格者は39名であった。
 なお,この他科学技術庁長官によって核燃料取扱主任者に認定されたものは42名である。

3 放射線取扱主任者試験

 放射線障害防止法においては,放射性同位元素の使用者,販売業者および廃棄業者ならびに放射線発生装置の使用者は,その業務を行なうに際し,(第9-4表)に掲げる区分に従い,国家試験により,科学技術庁長官が交付する第1種または第2種放射線取扱主任者免状を有するもののなかから,放射線取扱主任者を選任し,放射線障害の発生防止について監督を行なわせることとしている。
 43年度は,第13回第1種放射線取扱主任者試験および第10回第2種放射線取扱主任者試験が行なわれた。
 第13回第1種試験の受験者は1,249名,合格者は391名であった。また,第10回第2種試験の受験者は1,384名,合格者は587名であった。43年度末現在の合格者の合計は第1種は2,425名,第2種は3,171名である。


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