第7章 基礎研究および核融合
§1 研究施設の整備

 原子力開発利用における基礎研究は,関連する分野が広く,しかも,大規模な研究施認を必要とするものが多い。このため,昭和43年度においても日本原子力研究所(原研)をはじめ,大学,国立試験研究機関等において,各種研究施設の整備がはかられた。
 原研においては,材料試験炉用ホットラポ建屋の建設がすすめられるとともに,燃料照射用のループの製作が行なわれた。
 理化学研究所(理研)では,サイクロトロンを使用して,放射線化学や放射線生物学の研究がすすめられているが,さらに広汎な照射条件での研究を行なうため,42年度にひきつづき,1万キュリーのコバルト-60照射装置の建設がすすめられた。
 国立試験研究機関では,放射線育種場,北海道農業試験場等の放射線実験施設,北海道工業試験所の14MeV高速中性子放射化分析装置および照射室がそれぞれ設置あるいは建設されたほか,船舶技術研究所の大型上下動揺装置に不規則波制御装置,高圧ループが付設され,また船体構造のガンマ線しゃへい研究棟の建設が行なわれた。


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