§7 ラジオアイソトープの生産および供給

 ラジオアイソトープの国産については,主に短寿命核種に重点をおき,その量産化と品質の向上をはかるための製造技術の研究開発がすすめられており,また,生産する種類も増加しつつある。
 原研では,37年7月からラジオアイソトープの生産を開始しており,43年度の主な国産ラジオアイソトープの出荷実績は(第6-1表)に示すとおりである。

 短寿命核種で需要量の多いものは,ヨウ素-131,金-198,リン-32,づイオウ-35等である。このうち,リン-32は,イオウ-35,金-198について,43年度より全需要の大半が国産品でまかなわれるようになった。
 このほか,非破壊検査用資源として,従来から用いられてきたコバルト-60とともに,新たな線源として有望視されてきたイリジウム-192については,41年度から原研において試験的に生産が行なわれてきた。42年度からその生産を本格化することとしたが,43年度はJRR-2の事故により,188キュリーが生産されたにとどまった。また,コバルト-60についても,材料試験炉(JMTR)により国産を行なうためJRR-3を用いた試験照射の準備がすすめられている。
 一方,標識化合物の製造については,民間において,輸入ラジオアイソトープを二次加工して製造されている。
 また,わが国におけるラジオアイソトープ生産の増加にもかかわらず,なお,その需要に対して不足しており,ラジオアイソトープの供給は,その多くを海外からの輸入に依存している。
43年度における輸入ラジオアイソトープの主要核種別の供給実績は,(第6-2表)に示すとおりである。

 なお,輸入および国産ラジオアイソトープの頌布については,主として放同協を通じて行なわれている。43年度における放同協のラジオアイソトープの出荷件数は(第6-3表)に示すとおりである。    


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