§2 原子力開発利用動態調査

 科学技術庁原子力局では,最近におけるわが国の原子力開発利用の急速な進展にかんがみ,その一層の推進に資するため,42年度に,従来行なってきた各実態調査をさらに発展させ,新たに原子力開発利用の全分野を対象として,第1回「原子力開発利用動態調査」を実施した。43年度は,ひきつづき調査対象を拡大するとともに,調査項目を改善して第2回調査を実施した。
 第2回調査の対象は,1776機関(第1回調査対象1,269機関)であったが,このうち1,455機関から回答があり,回答率は82%であった。
 調査結果の概要は以下に示すとおりである。
 回答1,455機関中,原子力開発利用を行っているとする機関は1,100機関であった。
 43年3月末現在,原子力関係従事者の総数は29,420人であった。その内訳は,民間企業が11,634人と約40%を占め,以下医療機関7,697人,研究機関5,980人,教育機関3,739人の順になっている。また,研究者および技術者は14,976人であり,放射線管理区域常時立入者は11,869人であった。
 また,42年度中各機関から1,270人が研修に派遣されたが,その内訳は,国内研修1,085人,海外研修185人となっている。
 研究開発投資については,42年度の総支出額は209億円であった。その内訳は,研究機関が121億円で最も多く,民間企業58億円,教育機関23億円,医療機関7億円とならている。
 また,研究の性格別にみると,応用研究が90億円で最も多く,基礎研究68億円,開発研究51億円となっている。
 42年度の設備投資の総額は,233億円であったが,このうち80%を占める186億円が民間企業における投資で,以下,医療機関32億円,研究機関9億円,教育機関7億円の順となっている。また,部門別では,原子力発電が160億円と全体の69%を占めた。
 また,42年度における原子力関係機器の総生産額は83億円であった。
 その内訳は,放射線利用機器42億円,原子炉機器36億円,核燃料関係4億円,未臨界実験装置1億円となっている。


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