§2 海外における原子力開発利用の動向
7 海外市場の開拓

 以上,概観したように,原子力の開発利用は西欧先進国を中心に急テンポですすめられており,科学技術の進歩による経済性の向上とあいまって,原子力発電を中心として,原子力産業としての確固とした地位を築きつつある。
 このような状況のなかで,とくに,米国,英国,フランス,ドイツ,カナダ等の諸国においては,原子力プラントの海外市場開発に力を入れており,米国では軽水炉の輸出について大きな努力が払われており,輸入国での適応条件が検討されている。
 英国,フランスにおいては,原子炉の開発について海外市場開発の問題とからんで大きな体制問題に直面しており,現在,英国では産業再編成を含めその打開策が検討され,その改革が進められている。
 ドイツ,カナダでも海外市場開拓には非常に積極的で,すでにドイツはアルゼンチン,カナダはインド,パキスタンへの原子炉輸出に成功している。


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