§1 国内における原子力開発利用の動向
8 新局面に備えて

 原子力委員会は,わが国における原子力開発利用をなお一層強力に推進するため,その全般的な体制に関し,再検討を加える必要を認め,43年3月以来,関係各界の有識者の参加を得て,原子力関係機関体制問題懇談会を開催し,原子力委員会みずからのあり方を含め,研究開発機関の体制について,検討をすすめてきた。
 いまや,わが国の原子力平和利用は,以上概観したごとく,産業として自己を形成する段階に入りつつあり,原子力産業確立への各種の問題がようやく具体性をもち,新局面への胎動を開始したとみることができよう。
 このような時期にあたり,原子力委員会は,これらの新局面に対処するため,今後提起される諸問題にとりくみ,その適切な解決につとめる所存である。この際,関係各界が密接に協力し,総合的,長期的視野に立ち,国民一般の強力な支援のもとに,一層の努力を傾注することがとくに要請されるところである。


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