§3 原子力船の研究開発

 原子力船に関する研究については,原子力船が不規則な波浪中を航行するとき船体の動揺により異常に大きい加速度を生じ,これが原子炉の構造,性能,制御に重大な影響を及ぼす恐れがあるため動揺加速度の異常値を予想してその対策を立てておく必要があるので,41年度にひきつづき不規則波発生装置による模型実験によって,動揺試験が行なわれた。
 軽水冷却炉では,長振幅低周波のヒービングおよびローリングによるボイド発生,熱限界低下等の影響をうけることが考えられるので,これらの問題について研究を行なうため運輸省船舶技術研究所(船研)に大型上下動揺試験装置が建設中である。
 原子力船の事故対策として,原子力船として想定される船型に対し,浸水時の静的復原性,浸水傾斜時の動揺特性,動的復原性が検討されるとともに,原子力船損傷時の安全性の研究が行なわれた。


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