§7 使用済燃料の再処理
2使用済燃料の返還

原研のJRR-2および京都大学の原子炉に使用されている燃料は,米国政府から賃借しているので,これらの炉からとり出される使用済燃料は,再処理をしたうえ,米国政府に返還しなければならない。このため,原研では,昨年度の第1次および第2次返還につづいて,42年8月および43年4月に第3次および第4次返還を,京都大学では,43年4月に第1次返還をそれぞれ行なった。
 これらの返還にあたっては,日本政府および米国政府によって安全性が承認された輸送容器を用いて,茨城県東海およぴ大阪府熊取から横浜までそれぞれ自動車で輸送され,横浜からシアトルまで船で,さらにシアトルから米国原子力委員会のアイダホ再処理工場まで自動車で輸送された。
 なお,返還量は,原研の第3次,第4次分がいずれも90%濃縮ウラン燃料要素24本,ウラン量で5.3kg,放射能は3万キュリーであり,一方,京都大学の第1次分は90%濃縮ウラン燃料要素9本,ウラン量1.6キログラム,放射能は1万キュリーである。
 また,日本原子力発電(株)は,43年4月,英国原子力公社との間に,東海発電所の使用済燃料の再処理に関する契約に調印した。この契約によると,同公社は東海発電所の使用済燃料を英国へ輸送し,そのウインズケール工場において再処理を行ない,それにより抽出されたプルトニウムを日本へ輸送することになっている。
 なお,本契約による使用済燃料の引渡数量は,向う3年間の使用済燃料相当分である160トンである。


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