§4 プルトニウムの研究開発

 プルトニウムの研究開発については,熱中性子炉および高速増殖炉用燃料の開発に当面必要と考えられるプルトニウム-ウラン混合酸化物系燃料について,動燃事業団および日本原子力研究所(原研)においてすすめられている。
 動燃事業団では,40年度にプルトニウム燃料開発室の試験操業を終え,41年度以来,プルトニウム-ウラン混合酸化物の振動充填燃料およびペレット燃料の製造技術の研究がすすめられてきたが,43年5月,ペレット燃料の試作に成功し,照射試験のためノールウェーのハルデン炉に送った。
 また,原研との共同研究として,プルトニウム燃料体の中性子束分布の測定,プルトニウム燃料を装荷した格子の反応度測定,プルトニウム燃料の熱伝導度の炉内測定,炉内焼結進行の研究等が行なわれた。
 なお,プルトニウム燃料の炉内での挙動を研究するため,照射後試験研究を行なうα-γケーブが,動燃事業団に設置されることとなった。
 原研では,軽水型臨界実験装置(TCA)によるプルトニウム燃料の試験研究,また,プルトニウムの実用炉への利用をはかるため,動力試験炉(JPDR)のプルトニウム装荷に関する計画が検討されている。
 新型転換炉用燃料,高速増殖炉用燃料の研究開発に関しては,動燃事業団を中心として,プルトニウム-ウラン混合酸化物系燃料について研究がすすめられ,また原研,および民間においても,酸化ウラン(UO2)によるプルトニウム-ウラン混合燃料のモックアップ試験等が行なわれた。
 また,ノールウェーのハルデン炉および米国のエンリコ・フェルミ炉での照射計画に参加するなど,国際協力による研究開発もすすめられた。


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