§1 核燃料政策
1核燃料に対する基本的な考え方

 原子力委員会は,昭和42年4月,「原子力開発利用長期計画」の改訂を行なったが,このなかで核燃料については,以下のとおり基本的な考え方を明らかにした。すなわち,原子力発電の進展にともない,わが国における核燃料の需要量は急速に増加するが,今後,国内資源の把握につとめるとしても,この需要を充足することができず,供給の大部分は海外に依存せざるをえない。
 したがって,核燃料の低廉かつ安定な供給の確保とその有効利用をはかることがとくに重要である。
 このため,当分の間,わが国の原子力発電の主流を占めると思われる軽水炉の燃料としての濃縮ウランについて,長期契約等によりその入手に努めるとともに,さらに積極的に海外ウラン資源の確保等の措置を講じ,また,核燃料の加工,使用済燃料の再処理,プルトニウムの利用等を国内で行なうことにより,わが国に適した核燃料サイクルの確立に努めることとした。


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