§5 関西電力(株)美浜発電所

 関電では,福井県三方郡美浜町に原子力発電所を建設することとし,41年6月,内閣総理大臣にその設置許可を申請していたが,41年12月,その設置が許可され,現在建設工事がすすめられている。
 同発電所の原子炉には,加圧軽水型炉が採用され,熱出力は103万キロワット,電気出力は34万キロワットである。
 燃料装荷は45年2月,運転開始は,同年7月の予定である。総工事費は約298億円,発電原価は,キロワット時あたり初年度3円,耐用年間平均2円50銭と見こまれている。
42年3月,米国のウエスチングハウス(WH)社および三菱原子力工業(株)と分割発注方式による建設契約が締結されたが,格納容器,タービン発電機,熱交換器等については,国産される予定である。
 同発電所の敷地は,敦賀半島の西北端で,その海岸線が丹生湾を形成する岬の尖端にあり,広さは約50万平方メートルで,その西半部は丘陵,東半部は平地となっている。
 建設工事については,原子炉建屋の基礎工事,荷揚げ岩壁および丹生大橋の工事が完了し,放水口工事がすすめられている。また,圧力容器,蒸気発生器,タービン発電機等の主要機器についても製作がすすめられている。
 関電では,上記1号炉にひきつづき2号炉を,同一敷地内に建設することとし,42年11月,内閣総理大臣にその増設許可を申請していたが,43年5月,その増設が許可され,現在建設準備がすすめられている。
 この2号炉には,1号炉と同様加圧水型炉が採用され,熱出力は146万キロワット,電気出力は50万キロワットである。
 燃料装荷は46年10月,運転開始は47年7月の予定である。
 総工事費は,約430億円,発電原価は,キロワット時あたり初年度2円70銭と見こまれている。
2号炉の建設については,関電では,43年5月,三菱原子力工業(株)と一括発注方式による建設契約が締結され,原子炉の主要施設のうち,1号炉で輸入となっていた圧力容器,蒸気発生器,主要配管等も国産される予定である。


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