第7章 放射線利用

§3 ラジオアイソトープの供給

 わが国におけるラジオアイソトープの生産は,短寿命ラジオアイソトープが大部分であり,ラジオアイソトープの供給は,現在,なおその多くを諸外国からの輸入に頼っている。
 輸入ラジオアイソトープについては,とくに医学利用の分野での需要が増加したため,トリチウム,炭素-14,金-198の核種が顕著な増大を示している。41年度における輸入ラジオアイソトープの供給実績は,(第7-1表)に示すとおりである。
37年7月から生産が開始された原研のラジオアイソトープ生産実績は,(第7-2表)に示すとおりで,主として短寿命核種の供給に力がいれられている。41年度には,原研のラジオアイソトープ製造工場の整備にともない,国産ラジオアイソトープは,40年度にくらべ,全般的に増大した。

 原研では国産ラジオアイソトープの量産化および品質向上をより一層はかるため,ひきつづきラジオアイソトープ製造技術の開発をすすめているほか,生産するラジオアイソトープの種類を拡大する努力をはらっている。
 一方,標識化合物の製造は,民間企業において輸入ラジオアイソトープを国内で標識する二次加工として行なわれているが,全体としてかなりの増大を示している。
 なお,これら輸入および国産ラジオアイソトープの頒布は,主として日本放射性同位元素協会(放同協)を通じて行なわれている。41年度における放同協のラジオアイソトープ出荷件数は,(第7-3表)に示すとおりである。


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