第7章 放射線利用
§2 放射線利用に関する研究開発

2 農業利用に関する研究開発

 農業利用に関する研究は,放射線照射による放射線育種の研究,放射化分析に関する研究を中心に,大学,国立試験研究機関においてすすめられている。
 農技研では,施肥法改善に関する研究,トレーサーによる殺虫剤等の作物保護技術の改良に関する研究,土壤肥料学に対する簡易放射化分析法の研究等がすすめられた。放射線育種の研究開発のセンターである放射線育種場では,自然条件下における作物の放射線育種に重点をおいて研究をすすめてきたが,従来の研究結果から,新たにラジオアイソトープの内部吸収によるクローニック照射に関する育種の研究がはじめられた。
 このほか,農業土木試験場において,灌漑水の追跡ならびに地下水の開発に関する研究が,また,地方農業試験場において,特殊土壤地帯の土壤改良と施肥の合理化に関する研究等がすすめられている。


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