第5章 核燃料
§8 使用済燃料の再処理

2 使用済燃料の返還

 原研のJRR-2に使用されている燃料は,米国政府から賃借しているのであって,この炉からとり出される燃料は,再処理をしたうえ,米国政府に返還しなくてはならない。原研では,41年8月および42年3月の2回にわたって,JRR-2の使用済燃料を米国原子力委員会のアイダホ化学工場において再処理を行なうため輸送した。
 1回目に輸送した燃料は,20%濃縮ウラン燃料要素24本,ウラン量で21.6キログラム,全放射能は,200キュリーである。2回目に輸送した燃料は,90%濃縮ウラン燃料要素24本,ウラン量で4キログラム,全放射能は1万4,000キュリーである。
 この使用済燃料の輸送にあたっては,科学技術庁および米国政府によって安全性が承認された特殊な輸送器2基を用い,東海から横浜まで自動車で,横浜からシアトルまで船で,さらに,シアトルからアイダホ化学工場まで自動車で輸送された。


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