第5章 核燃料

§4 海外資源の調査

 わが国における原子力発電の今後の見とおしと,現在までに判明している国内のウラン埋蔵鉱量を考慮すると,わが国の今後のウランの需要を満たすためには,海外ウラン資源の低廉かつ安定な供給を確保することがとくに必要である。
 このため,原子力委員会は,42年4月に策定した原子力開発利用長期計画において,海外ウラン情勢の的確な調査を行ないつつ,世界の大勢に遅れないよう早期に探鉱開発の実施,長期購入契約の締結等,海外ウランの低廉かつ安定な確保をはかることがとくに必要であると,その基本的な考え方を明らかにした。
 41年度における海外ウランの資源調査については,公社が,41年8月から9月にかけてカナダに,42年1月から2月にかけてオーストラリアに,それぞれ調査団を派遣した。また,日本鉱業協会では,カーマギー社からの共同探鉱開発申し入れに関し,日本原子力産業会議から委嘱を受けて,42年3月から調査団をカナダ,アメリカに派遣し,電気事業連合会においても,ウラン資源の長期確保をはかる観点から,42年3月,調査団をカナダ,アメリカ,西欧諸国に派遣した。
 さらに三菱金属鉱業(株)では,41年12月,リオアルゴム社とアメリカにおいて合同探鉱を行なうことを発表した。


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